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恋愛リアリティー番組『テラスハウス』に出演されていた女子プロレスラーの木村花さん(享年22)が2020年5月23日に急死された件で、番組での言動に対する誹謗中傷を苦に自殺したとみられており、番組の存続が注目されていました。
フジテレビは5月27日、番組の制作、放送の打ち切りを発表され話題になっています。
こちらの記事では、テラハ打ち切りについて、『あいのり』と『テラハ』の違いは?、共演者水越愛華がテラハのヤラセ告白?、世間の反応について触れていきます。
テラハ打ち切りについて
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木村花さんの自殺を受けて、フジテレビは5月27日、恋愛リアリティー番組「テラスハウス TOKYO 2019-2020」の制作、放送を中止すると発表されました。
番組公式サイトでは、改めて木村さんと遺族に哀悼の意を示した上で「制作を中止する事を決定致しました。この度のことを重く受け止め、今後も真摯(しんし)に対応して参りたいと考えております」と報告した。フジテレビの公式動画配信サービス「FOD」での配信も停止。同社は「このたびのことを重く受け止め、今後も真摯に対応して参りたいと考えております」とコメントした。
男女6人による同居生活を描く同番組。現在のシリーズ「―2019―2020」は、ネットフリックスでは42話まで配信され、フジテレビでは38話までが放送されていた。
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木村花さん
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木村さんの死の背景には、木村さんが「命の次に大切」と語っていた、リングで着るコスチュームが入ったままの洗濯機を、ほかの出演者が誤って使ってしまったことで乾燥機により、コスチュームが縮んで着られなくなってしまいました。
木村さんは激怒し、共演者の帽子をはじき飛ばし罵声を浴びせたことで、視聴者が反発し、SNSに「テラハ史上いちばん最低なメンバーだと思いました」「花死ね」「お前が早くいなくなればみんな幸せ」などとSNSを中心に誹謗中傷に遭っていたことが自殺の原因と見られています。
木村花さん死去の背景について詳しくまとめた記事はこちらです。宜しければご覧ください。↓
フジテレビは、番組の演出と、誹謗中傷のきっかけとなった木村さんの言動との因果性を調査しているようで、木村さんの所属団体とも面会されているようです。
今後については現在も制作会社のイースト・エンタテインメント、配信元のネットフリックスの3社で協議中であり、制作関係者は「あくまで決まったのは、今回のシリーズの終了です」としており、テラスハウスの企画自体はなくならず、一定の期間をおいて継続する可能性も残されているようです。
『あいのり』と『テラハ』の違いは?
横粂勝仁弁護士
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テラハの前身番組ともいえる「あいのり」に出演していた元衆院議員・横粂勝仁弁護士が、自身の経験をもとに語っています。
「私が知る限りでは『あいのり』に台本はありませんでした。出演者がスタッフさんに助言を求めることはありましたが、指示通りに動ける人はそもそも集まっていません。より面白くするための編集があったのは事実です」
『あいのり』は自分の出番の放送を終えた後に出演者がブログなどを書くことが多く、いいところも悪いところも含めたトータルのストーリーを見終えた後だけに、誹謗中傷のコメントはあっても多くはなかったようです。
それに反し『テラスハウス』は、リアルタイム色が強いことが、今回のテラハ事件を生んだのかもしれません。
「テラハは現在進行形で、SNSを使って視聴者がほぼリアルタイムに反応を書き込める。今の時代にフィットしたやり方ではありますが、(炎上しそうな内容の放送直後に)現在進行形で誹謗中傷が集中してしまうリスクがある」
現代ではTwitterなどのSNS機能を用いて、相手に対して直接DM(ダイレクトメール)を送る機能などもあるため、木村さんには毎日何百件もの死をほのめかす内容の誹謗中傷メールが届いていたようで、『あいのり』の全盛期とは違った批判のされ方があったのではないでしょうか。
古市憲寿さん
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コメンテーター・古市憲寿さんは、視聴者のリテラシーについても指摘しています。
「全体としてウソをついてるわけではないと思う。実際の恋愛模様を映している。でも、編集によっていかようにも個人の性格だとか見せ方を変えられることができちゃう。編集後のものを見てこの子はこういう子なんだという誤解も生まれてしまう。見る側のリテラシーも必要」
共演者水越愛華がテラハのヤラセ告白?
【用意したのは素敵なお家と素敵な車だけです。台本は一切ございません】
上記はテラスハウスのキャッチフレーズです。
『テラスハウス』の元スタッフは、番組について以下のようにコメントされていました。
- 週に2、3日集まって撮影をするだけで“共同生活”とは言えない状態だった。
- デートに行く組み合わせなども制作者側の指示通りに動いてもらっていた。
- 指示通りに撮れないときは“テイク2、テイク3”まで撮影することもあった。
- 出演者がキスをしたら、5万円ほどのボーナスを渡していた。
これまでのシーズンでは、キラキラしたトキメキ重視の演出で、誰もが憧れる空間を作りあげていたテラスハウス。今シーズンからは、泥臭い人間模様をより強く狙い始めたようで、嫉妬の演出などに力を入れ、SNSで出演者が話題になり注目を浴びるたびに、製作側は喜んでいたようです。
水越愛華さん
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フジテレビは、世間からのヤラセ疑惑を受け以下のようにコメントしています。
「撮影の都合で場所などについて出演者と事前に協議することはございますが、出演者の意思や感情に沿わないような演出をしての撮影はございません」
しかし、花さんの突然の死を悼むテラスハウス元共演者・水越愛華さんが、自身のインスタグラムに綴った文章には、制作者への怒りがにじむ言葉が並んでいました。
《配信では仲良いところ全然映って無かったですもんね》
《花ちゃんと私が最初に言い合いした後、次の日の夜には一緒に談笑しながらご飯食べてたんだよ。(中略)こういうとこなんだよ。画面に映ってるところなんてほんの一部なんだよ》
出典:NEWSポストセブン
水越愛華さん
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水越さんは、「画面に映ってるところはほんの一部」だと主張されており、視聴者が放送時の映像が全てだと思い込んでいることを弁解したかったようですが、更なる誹謗中傷を恐れて、本当のことを話せなかったことを悔やんでいました。
海外では以前から、リアリティー番組出演者の自殺が問題になっているようです。イギリスでは2016年から2019年にかけて、『ラブアイランド』という恋愛リアリティー番組から3人もの自殺者を出しており、韓国でも同様の番組で、実際とは異なる“友達のいないかわいそうな子”という設定を制作側から押しつけられた女性が、2014年に撮影現場で命を絶っていたようです。
木村花さん
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木村さんは、相手と呼吸を合わせ、真剣勝負をエンタメに昇華させるプロレスラーのヒール役として仕事をしていたため、制作サイドによる演出指示の期待に、プロとして応えようととにかく周囲の期待に応えようと頑張っていたようです。
演出することに必死で、自身の心の疲労に極限まで気づけていなかったのでは?との声も上がっています。
世間の反応
無理矢理、強制的に出演させられたのであれば話は別だけど…